2026年現在、生成AIの爆発的な進化やディープテックの台頭により、スタートアップの成長スピードはかつてないほど加速しています。その超高速な事業展開を裏側から支え、事業ビジョンを資本の論理へと翻訳する「経営管理・ファイナンス」の重要性は、日々高まっています。今回は、完全自動運転の社会実装を目指すTuring株式会社(チューリング)の執行役員(経営管理・経営企画)大杉氏をお迎えしました。新卒での大手企業配属から、リクルート、メドレーを経て、現在のチューリングへと至る約16年の濃密なキャリア。一見すると対極にある「大手企業」と「ディープテック」が、大杉氏の「事業の見える化・解像度向上」という専門性を介してどう地続きに繋がっているのか、そして現在のご活躍に至るまでのお話を伺いました。じっくりと専門性を深めた大手企業時代。すべては意図しない財務配属から始まった—本日はよろしくお願いいたします。大杉さんのキャリアは大手企業からスタートアップまで非常に幅広く、専門性が地続きで集約されていると感じています。まずはこれまでの経歴のサマリーからお話しいただけますでしょうか。Turing 大杉(以下、大杉): よろしくお願いします。私の社会人経験は今年で約15、16年ほどになります。キャリアを振り返ると、凸版印刷やオリンパスといった大企業が半分、その後にリクルートでの期間を経て、メドレーや現在のチューリングといったスタートアップ・ベンチャー界隈へとシフトしてきました。 職種領域としては、最初の6年間は一貫して財務(資金調達、資金戦略)を中心に経験し、その後は経営管理、経営企画、財務という3つのファンクションをミックスさせながら、各企業の変革期における重要アジェンダを管理する役割を担ってきました。—最初からコーポレートや財務の道を志望されていたのですか?大杉: いえ、これが本当にたまたまで(笑)。私は法学部の出身で、就職活動の時は事業部門への配属を希望していたんです。しかし、新卒で入社した会社の当時の配属で、たまたま財務部門の人手が足りないという状況があり、まさにご縁と運次第。大手企業特有のスタートでした。—配属当時は、希望と異なる部署で戸惑いもあったのではないでしょうか。大杉: 最初の1年ほどは、当然ながら財務や会計の基礎知識がゼロの状態でしたから、簿記の資格を取得するなど必死にキャッチアップする日々で非常に苦労しました。ただ、その苦労以上に恵まれていたのは少数精鋭の組織環境です。 財務部門というのは、大手企業であっても実は非常に人数が少なく、正社員が6名ほどしかいませんでした。部長、課長2名、配置された正社員3名といった体制です。そのため、新卒でありながらCFOや部長、課長といった上のレイヤーのメンバーと日常的に直接会話をし、マンツーマンで指導を受けることができました。このレイヤーを超えた直接のコミュニケーションと徹底的なOJTは、今振り返っても本当に貴重な経験だったと感じています。—大手企業での6年間の財務経験で、最も印象に残っている社内アジェンダは何ですか?大杉: 私が入社した2011年は、東日本大震災の年でした。その前にはリーマンショックもあり、製造業をはじめ多くの企業が工場の損壊や業績悪化により、財務健全性が大きく崩れていた時期です。そのため、財務健全性の回復という5カ年計画の大きなプロジェクトに当事者として取り組みました。 ここで学んだのは、財務という職種は「社内の努力でコントロールしやすく、外的要因の影響を受けにくい領域」だということです。自社のアセットを整理し、実直に計画を遂行すれば成果が出る。ある種、外の世界の荒波に直接さらされない「安全地帯」の中で、ロジカルに数字を組み立てる基礎体力を養わせてもらったフェーズでしたね。オリンパスでのグローバルな壁と、逆境で沁みた「一燈を提げる」哲学—凸版印刷での財務健全性の改善を達成された後、オリンパスへ転職されています。この転機にはどのような問題意識があったのでしょうか。大杉: 先ほど「安全地帯」と言いましたが、当時、財務の隣にいた経営企画部門を見ていた時に、彼らは会社の収益性改善というアジェンダで非常に苦戦していたんです。売上や利益率の向上というのは、財務のように社内の努力だけでコントロールできるものではなく、市場や顧客といった不確実な外的要因に大きく左右されます。「なぜ経営企画はこれほど苦戦するのだろう。その理由を、もっと俯瞰した視点から深く知りたい」という知的好奇心が芽生えたのがきっかけです。そこで、当時売上規模が8,000億円ほどで、グローバルに展開していたオリンパスの経営管理部に転職を決めました。ここでは全体の予算策定や、各リージョン・部門の予実管理を担当しました。—そのオリンパス時代に、今の大杉さんのキャリアの血肉となっている重要なエピソードがあると伺いました。大杉: はい。当時のオリンパスは経営再建の局面にあり、非常に激動のタイミングでした。その中で会社を率いていたのが、当時社長の笹宏行さんです。笹さんは医療内視鏡のエンジニア出身の方で、CFO直轄のポジションにいた私は、笹社長が社内に対して「逆境の時こそ、自分たちの世界一の強みである内視鏡テクノロジーに立ち返り、そこを軸にして会社をもう一度伸ばしていくんだ」とブレずに発信し続けている姿を間近で見ていました。その時に笹社長がよく口にされていたのが、幕末の思想家・佐藤一斎の「一燈を提(さ)げて暗夜を行く。暗夜を憂(うれ)うること勿れ。只だ一燈を頼め」という言葉だったんです。当時は「良い言葉だな」と印象に残っている程度だったのですが、その後、大企業を飛び出してスタートアップという「正解のない暗闇」へ進むにつれて、この言葉が驚くほど自分の中に沁みていきました。大きな会社であれば、ジョブディスクリプションが明確で、次に自分が何をすべきかがシステムとして用意されています。しかし、小さな会社や変革期の組織になればなるほど、周囲は暗闇で誰も指示を出してくれない。その時に「分からなくなったら、まずは自分の培ってきた強み(一燈)を信じて、それを頼りに一歩を踏み出す。その強みを磨き続ければ、どんな暗闇にも対処できる」という、私のキャリアにおける永久機関のような哲学になりました。あの時、逆境のトップが発していたリアルな言葉が、今の私のスタンドアローンで動く基礎を作ってくれたと思っています。リクルートを経て、メドレーへ。ベンチャーならではの「2年目の壁」—オリンパスでグローバルな経営管理を経験された後、リクルートジョブズ(現リクルート)へ転職されています。そこからスタートアップのメドレーへの転職、このあたりの変遷での気づきについて教えてください。大杉: 事業計画の初動にあるのは数字ではなく、人間の泥臭い行動であり、定性的な重要アジェンダです。それが各現場の責任者にどう追いかけられ、実行されているのかを深く知る必要があると感じました。 そこで、当時カンパニー制を導入して意思決定が早かったリクルートジョブズに移り、求人情報誌『タウンワーク』の経営企画ポジションに就きました。ここでは過去には経験をしていない、現場のプロダクト責任者や営業責任者たちと向き合いながら、重要アジェンダの設定や、目標達成に向けた管理・監督を行う役割を担いました。その中で一番苦労したのは、「自分の仕事の価値や成果が目に見えにくい」ということでした。財務や通常の経営管理であれば、数字を集計して正しいレポートを出し、資金を調達すればそれが成果になります。しかし、定性的な重要アジェンダの管理となると、現場とたくさん会話をして方向性を修正しても、業績が伸びた時には「現場が頑張って伸ばした」という評価になる。経営企画や管理部門が、事業の成長にどう貢献したかを周囲にアピールしづらいという悩みに直面し、バリューの出し方に非常に迷走し、悩んだ時期でしたね。—その葛藤から、どのようにメドレーへの転職、および貢献へと繋がっていったのですか?大杉: 「定性的なアジェンダの管理を上手に回すためには、単なるお目付け役としてレポートするだけでなく、定量的な事業計画策定の根本、つまり『全体の設計図を引く段階』から関わる必要がある」という仮説に至りました。定量と定性の両方で自分の強みをフルに活かし、組織の変革にダイレクトに貢献できる場所を探そうと考え、当時上場したばかりのメドレーへの転職を決めました。当時のメドレーは上場したてで、それまでは創業期からの仲の良い役員陣が阿吽の呼吸で事業計画を作ったり予実管理を行ったりしていたのですが、パブリックカンパニーになった以上、それを組織的・制度的に運用していく必要があった。しかし、社内ではそれをどう進めればいいか「誰も知らないし、やったこともない」という状況でした。そこに、外部のフラットな部署として予算の策定と管理を任されるという新しいポジションで入りました。大企業で培った財務・管理の標準化スキルと、リクルートで学んだ現場へのコミュニケーションがドンピシャでハマり、1年目は非常に高い評価をいただくことができました。しかし、2年目には新たな壁に直面しました。仕組みを作って綺麗に回るようになると、2年目には「じゃあ、大杉さんは次に何をしてくれるの?」という、言葉にされない高次元の付加価値を求められるようになりました。明確な指示があるわけではなく、ふわっと「ポジションを生み出して、バリューを出してやってくれ」と言われたのです。大企業出身の私としては、明確なジョブディスクリプションがない中で非常に戸惑いました。そこで、当時のコーポレート役員だった田丸さんに相談を重ねながら、自分で会社全体のタスクを俯瞰して見に行きました。そして、それまでのメドレーが「上場まではスピード最優先だから必要ない」としてあえて置いてきていた、重要緊急マトリクスでいう「重要だけど緊急ではない領域」のタスクを自ら拾い上げにいったんです。具体的には、「全社的な重要アジェンダ管理の仕組み化」「潜在的リスクのモニタリング体制の構築」「中長期的な中期経営計画の策定」という3つです。 会社が大きくなり、長く続いていくために不可欠な未来への投資を、自ら責任を持って推進することで、2年目の壁を挽回し、組織に新しいコーポレートアクションをもたらすことができました。現場の時間を奪わないよう「2を聞いて10返す」ような、圧倒的なスピードとクオリティで信頼貯金を地道に貯めることの重要性を、身をもって学んだフェーズでしたね。全ての経験が繋がる、チューリングでの「0→1」。P/L1枚の混沌を、信頼得る姿へ翻訳する—その後、これまでの経験を経て、共同創業者の田中さんの誘いを受けて、現職に参画されることになります。チューリングへ入社された当時のコーポレートやファイナンスの状況はいかがでしたか?大杉: チューリングは、まさに私がこれまで歩んできた財務・経営管理・ファイナンスのすべての経験の「総集編」であり、最高難易度のチャレンジができる環境だと確信して飛び込みました。 しかし、参画した当初の状況はまさに0→1の混沌そのものでした。当時のチューリングには財務・経営管理を専門とするメンバーがまだおらず、対外的に説明できる「事業計画」は存在していませんでした。あったのはA4用紙1枚のざっくりとしたP/Lだけで、KPIへのブレイクダウンもなければ、B/Sもキャッシュフロー計画も存在しない。「これから自動運転車を作るために資金が必要だ」と言っているにもかかわらず、です。まさに絵に描いたような初期スタートアップの状態でした。当然、投資家やステークホルダーからは「壮大なビジョンは素晴らしいけれど、P/LしかなくてキャッシュフローやB/Sがどうなるか分からないから、そもそも投資検討のしようがない」と言われていました。ビジョンは一級品ですが、それを資本の言語に翻訳する設計図が完全に欠落していたんです。—そこから大杉さんが入ることで、どのようにコーポレート体制やファイナンスの基盤を構築していったのですか?大杉: ここで活きたのが、まさに私の最初のキャリアである「凸版やオリンパスで叩き込まれた、大企業の財務・経営管理の標準化スキル」でした。大企業であれば当たり前に存在する「財務三表の連動」や「中長期のキャッシュフロー計画」を、このP/L1枚しかない混沌としたチューリングにそのまま持ち込み、ゼロから設計図を引き直したんです。まず、投資家に対して、チューリングがやろうとしている自動運転のタイムラインと、それに伴う資金ニーズ、そして構築されるアセット(資産)をビジュアルかつロジカルに伝える「キャンバス(設計図)」をゼロから描きました。ストーリーとしての壮大なビジョンを、完璧な財務三表とKPIの数字に翻訳して可視化するコミュニケーションツールを確立したんです。これにより、「チューリングはどのタイミングで、いくらの資金といくらのアセットを持って、どういう調達を繰り返しながら進んでいくのか」という全容をステークホルダーに明示できるようになりました。この計画の信頼性の高さが評価され、投資家が安心して未来を見られるようになり、PreシリーズA以降の大型の資金調達(エクイティ)を安心して受けることができる体制が整いました。「この数字は何のためにあるのか」を常に問い直しながら、今この瞬間に会社へ不可欠なものを作るという、経営管理の関与価値を最も純粋に実感できるフェーズでした。大手企業、そしてメガバンクに認められた理由。「事業の見える化・解像度向上」がもたらした信頼—今お話を伺っていて腑に落ちたのですが、チューリングがお付き合いしているステークホルダーは、VCだけでなく、メガバンクや、デンソー様をはじめとする日本を代表する「超大手企業」です。彼らは「ビジョン」だけでは絶対に動きません。そうした目の肥えた大手企業を相手に、チューリングが対等にやれているのは、まさに大杉さんの経営管理によって「事業の見える化」と「圧倒的な解像度向上」が進んでいるからではないでしょうか。大杉: おっしゃる通りだと思います。経営管理の立場から私が向き合ったのは、まさにその「資金を預けてもらうための信頼を勝ち取る土台づくり」でした。 チューリングは、VCからのエクイティ調達だけでなく、銀行からのデット、さらには日本を代表する超大手企業様とのアライアンスなど、多様な立場の出資者・融資者から資金を預かる会社です。だからこそ、ノリや勢いではなく、チューリングが組織として健全な状態で前へ進むための体制整備に徹底的にフォーカスしました。そして、大手企業やメガバンクがどのようなプロセスで意思決定を行い、どのような数字・解像度を出せば組織として納得して動くのかという「大企業側の判断基準」が肌感覚で分かるのは、私の最初の10年のキャリアがあったからだと自負しています。その課題に向き合った時、自身のキャリアが繋がった感覚がありました。例えば、みずほ銀行様からの大型デットファイナンス(銀行融資)の獲得がまさにその象徴です。一般に、売上がまだ立っていないディープテックのスタートアップにとって、銀行融資のハードルは非常に高いとされます。元本回収の確度が重視されるためです。私たちが銀行に対して示すべきだと考えたのは、「日本の自動運転業界において、チューリングが既存のOEMやメガサプライヤーと比べても優位性のある技術を持つこと」という極めて高いハードルでした。行内での合意形成にも時間を要し、結果として融資の実行までに約2年をかけました。—その難解な自動運転という事業を「見える化」し、課題を乗り越えたのでしょうか?大杉: ここで活きたのが、オリンパス時代に学んだ「数字の裏にある人間の意思やストーリーを読み解く力」と、リクルート・メドレー時代に培った「とにかく現場に入り込むコミュニケーション」の融合です。 私は開発進捗にしっかりとアンテナを張り、自動運転や生成AIの最先端の潮流、技術の進捗を完全に理解できるよう努めました。その上で、専門的な技術論や自動車業界の商慣習を、銀行の理解を得やすい「金融・事業計画のロジック(定量)」に変換し、説明できるようになりました。結果として、みずほ銀行から「この会社は、日本の自動運転の未来を担う、最も優れた技術と堅実な事業計画を持つ会社である」という承認をいただき、大型融資をしていただく結果となりました。現在チューリングは、デンソー様からの出資も含め累計調達272億円(株式 200億円 / 融資 72億円)という非常にダイナミックなファイナンスを推進していますが、これも「大企業が求めるレベルの事業解像度」をコーポレート側が先回りして提示し、相手の稟議をスムーズに通せるほどの『信頼の総和』を作れているからに他なりません。難解な事業だからこそ面白い。経営管理が果たすべき「アクセラレーター」の役割—過去の凸版、オリンパス、リクルート、メドレーでの経験が、まるでパズルのピースがハマるように、現在のチューリングでの超難解な事業理解と資金調達にすべて集約されているのですね。大杉: 本当にそうですね。これまでの私のキャリアのどこか1つが欠けていても、今のチューリングでの立ち回りはできなかったと思います。AIや自動運転の領域は、3ヶ月前の常識が今日には完全に過去のものになるほど市場のスピードが驚異的に早い。だからこそ、コーポレートが事業を正しく把握する難易度は極めて高いです。 しかし、その中で経営管理職として果たすべき役割は、単なる「数字のチェッカー」として現場にブレーキをかけることではないと思っています。むしろ、事業のスピードと健全性を両立させる「アクセラレーター」であるべきです。現場の時間を奪わないよう、「2を聞いて10返す」ような圧倒的なスピードと解像度で事業を把握し、先回りして仕組みをインストールする。技術の凄さを、大手企業や金融機関が最も納得する「資本の言語」へ翻訳して事業を見える化する。この難易度の高いハブとしての役割を全うできることこそが、私にとっての知的好奇心を満たせる最高に面白い瞬間なんです。今後のキャリア展望—最後に、大杉さんのこれからの展望と、今後チューリングで成し遂げたい目標について教えてください。大杉: 当面の最優先目標は、2029〜2030年を見据えた量産車の一般販売開始、そしてその先のIPO(新規上場)の瞬間を、この目で見届けることです。そのために、次世代の経営管理組織とガバナンス体制をチューリングの中に構築しきることが私のミッションです。長期的な目標としては、今回のチューリングでの大型融資獲得や大手企業とのアライアンスのプロセスを通じて痛烈に感じた、「日本のスタートアップを取り巻く金融インフラの脆弱性」を、私自身の力で改善していく活動に関心を持っています。人材の流動性という意味では、リクルートやビズリーチなどの台頭により、私のように大企業からスタートアップへ優秀な人材がシフトするHRインフラは整いつつあります。しかし、資金の流動性、特にディープテックに対するデッドファイナンスや大手企業を巻き込む金融の支援体制は、米国などに比べて日本は圧倒的に脆弱です。将来的には日本の金融インフラそのものの強化に関わり、社会的インパクトのある素晴らしいスタートアップが次々と生まれるような国力基盤を作っていきたいです。—過去の全ての点が繋がり、大企業の「納得の基準」を知る大杉さんだからこそ、チューリングという未開の暗闇を鮮やかに見える化し、大きな資本を動かせているのだと深く理解できました。本日は貴重なお話をありがとうございました!最後にチューリングではコーポレートの人材募集を積極的に行っていますので、ご興味ある方は問い合わせフォーム等からご連絡ください!経理マネージャーファイナンスマネージャー候補経理担当※この記事内容は全てインタビュー当時のものです。インタビュー後記:「大手企業のコーポレートは、スタートアップで即座に通用するのか」ーー。この問いに対して、明確な答えを示してくれるインタビューでした。大杉さんのキャリアは、凸版印刷やオリンパスという日本を代表する大企業の中で徹底的に叩き込まれた「大企業側の意思決定のお作法」や「厳格な財務・管理会計の基準」が、巡り巡って、チューリングという超難解なディープテックにおける資金調達や大手企業アライアンスの突破口になっている点にあります。勢いだけでは決して動かないメガバンクや超大手サプライヤーに対し、相手が最も納得する形で、資本の必要性と自動運転の技術を翻訳し、事業の解像度を引き上げてお伝えする。それこそが、大杉さんがこれまで培ってきた「一燈」の真価でした。「正解のない暗闇」に直面したとき、AIや誰かの指示に頼るのではなく、自らの強みを信じて一歩を踏み出す。大杉さんの語る言葉は、これからの変化の時代を生きる全ての方にとって、行く手を照らす確かな灯火となるはずです。