デジタル貿易プラットフォームを展開する株式会社Shippio(シッピオ)にて、初期の1人目人事→HRBPとして組織づくりを支えてきた小野寺さんにお話を伺いました。新卒で入社した人材系メガベンチャーから、当時ほぼ無名だった創業5年目のスタートアップへ。なぜ彼女は敢えて挑戦的な道を選んだのか。そして、採用が進まなかった時期をどう乗り越え、多国籍で多様な組織を創ってきたのか。HRとしての5年間の歩みと、彼女が描く「産業とキャリアの未来」に迫ります。メガベンチャーでの「自問自答」が、スタートアップへの扉を開いた—まずは小野寺さんのこれまでのキャリアからお伺いできますか?Shippio 小野寺(以下、小野寺): はい。今はShippioに入社して丸5年と数ヶ月が経ちました。私のファーストキャリアは、IT/人材系メガベンチャーです。新卒で入社をし、最初は新規事業部で法人営業を経験しました。その後、人事部の新卒採用チームに異動し、リクルーターとして年間約300人規模の採用を行うチームの一員として働いていました。—年間300人の採用!今とは大きく異なる規模感ですね。そこからなぜ、あえて初期フェーズのShippioへ転職しようと思ったのでしょうか。小野寺:新卒で入った会社は本当に大好きな会社でしたし、素晴らしい環境でした。ただ、会社が安定成長し、組織が非常に機能的に最適化されていく中で、どこか「企業のブランド力が採用を勝たせてくれている」と感じる部分があったんです。学生さんからの人気も高く、仕組みが完成されている。その中で「自分自身の変数で、どれだけ事業に貢献できているだろうか」と自問自答するようになりました。より初期段階の、人事の力で事業そのものを大きくしていける環境に身を置きたい。そう思った背景には、学生時代にスタートアップでインターンをしていた原体験もありました。役員が住居兼オフィスに寝泊まりしてフルコミットするような会社でインターンを経験し、その「人生の時間を注ぎ込んで何かを生み出す」熱量に、もう一度触れたい。と感じたのが理由でした。—そんな中で、Shippioとはどう出会ったのですか?小野寺:エージェントさんからの紹介でした。ただ、当時のShippioは本当に無名で(笑)。求人票もほとんど出ていないし、Wantedlyやコーポレートページに記事が一本あるかないかという状態。それでも興味を持ったのは、「貿易×SaaS」という唯一無二のドメインに惹かれたからです。当時、SaaSは盛り上がっていましたが、貿易という非常に複雑でステークホルダーが多い、いわば「日本の課題のど真ん中」をデジタルで解決しようとするプロダクトは他にありませんでした。まだマーケットが盛り上がる前の、一番難しい領域に挑戦しているポテンシャルに、直感的にワクワクしたのを覚えています。採用が決まらない「暗黒の半年」を突破した、想いを拡げる地道なアクション—入社当初、1人目人事としてかなり苦労されたとお聞きしました。小野寺:最初の数ヶ月は、本当に1人も採用が決まりませんでした。前職はありがたいことに多くの方からエントリーが集まる環境でしたが、Shippioでは会社を知っている人がほとんどいない状態から採用活動を始めなければならない。国際物流という領域もキャッチーではないので、エントリーをいただくのが非常に難しかったんです。—プレッシャーもあったのではないですか?小野寺:正直落ち込む瞬間はありました。試行錯誤を繰り返し、「自分が優秀なリクルーターとして採用を決める」という個人の思考から脱却でき、「会社全体で採用できる文化と体制」をどう作るか、というチーム戦を意識し始めたのが転機でした。—具体的にはどのようなアクションを取ったのでしょうか?小野寺:まずは認知を獲得することの徹底です。なぜ敢えてこの難しいドメインを選んだのか、魅力は何か、という「社員それぞれの声・想い」を発信し始めました。分かりにくい分野だからこそ、社員それぞれの想いのオリジナリティは武器になると感じたからです。社員ブログの執筆やインタビューをすぐさま開始し、Shippioの中の人たちの熱量を可視化しました。それと並行して、組織文化の強化にも着手しました。Shippioには創業期から海外出身のエンジニアが多く、バックグラウンドが非常に多様です。組織としての一枚岩を作り、事業の推進力とするために元々あったバリュー「Anchors(アンカーズ)」を浸透させるアワード(表彰制度)を導入しました。単に数値を追うだけでなく、Shippioらしさとは何か・どのような振る舞いがShippioらしいのかを具体化し、讃える。この積み重ねが、少しずつ「この人たちと一緒に働きたい」というアトラクトの武器になっていきました。「業界を切り拓くこと」が「新たなキャリア」を生む。小野寺さんが描く世界観—直近では「HRBP」としてより事業に踏み込んだ役割を担っていますが、小野寺さんの中で「なぜShippioを大きくしたいのか」という動機に変化はありましたか?小野寺:ここが、5年間取り組んできて一番強く確信している部分なのですが、「Shippioが成長してこの業界をアップデートしていくこと自体が、新たな雇用や、今いるメンバーのさらなるキャリアを生み出す」と信じているからです。この世界観を拡げていきたい、というのが今の私の最大の原動力です。—「業界の変革」と「個人のキャリア」が直結している、ということですね。もう少し詳しく教えてください。小野寺:例えば、Shippioには国際物流の実務に長年携わってきた社員が沢山います。従来、彼らの専門性は泥臭い事務作業や調整業務に忙殺されがちでした。しかし、私たちがテクノロジーを導入し、業界の負を解消していくことで、彼らの役割は「作業」から、顧客に付加価値を提供する「コンサルティング」へと進化します。デジタル化によって、これまでになかった新しい職種や、より高度なスキルを活かせるポジションが次々と生まれている。Shippioが成長することは、単に一企業の利益ではなく、国際物流という巨大な産業で働く人たちに「新しい可能性」を提示することなんです。—なるほど。今いるメンバーと、その「新しい景色」を見たいという思いが強いのですね。小野寺:そうですね。代表の佐藤もよく「長く会社に貢献してくれているメンバーに、いい景色を見せたい。還元したい」と口にしています。事業がスケールし、未開拓の領域に挑み続けることで、メンバー一人ひとりのキャリアの市場価値も飛躍的に高まっていく。HRとして、その「成長の連鎖」を加速させる仕組みを作りたいんです。人的資本を武器にするための、経営との地道な「対話」—その「世界観」を実現するために、HRBPとして今どのようなことに注力されていますか?小野寺:人的資本をどう事業の武器に変えていくか、という一点です。そのためには、経営層や各現場のマネジメント層との「地道な対話」が欠かせません。とはいえ、どこかに解が転がっている訳でもなく、上長の伊達とも日々コミュニケーションを重ねて、二人三脚で奔走しています(笑)—代表の佐藤さんとは、普段どのような対話をされているのでしょうか。小野寺:佐藤は私たちHRに対して大きな裁量を与えてくれていますが、その分、求める基準も高いです。「人が足りないから採る」のではなく、「このフェーズでこの事業を伸ばすためには、どんなマインドセットを持った人材が、どういう状態でいるべきか」を常に問い直しています。新しい市場を開拓している事業は時に「踊り場」に至ることがあります。そんな時、HRとして現場に深く入り込み、採用や何かしらのアクションをすることで風向きを変えたり、日頃から「自分たちは社会にとって必要な仕事をしている」という信念を持ち続けられるような文化を地道に作っていったり。そうした「胆力」が必要とされる対話とアクションの連続が、今のShippioの組織を作っています。代表の佐藤はよく「何事もはじめはうまくいかなくても、最後には土俵に立ち続けた人が勝つ」と言っています。私もその言葉を信じて、自身が貢献できる役割を全うし続けたいと考えています。2028年、300人体制へ。「未開拓なチャレンジ」を恐れない仲間へ—今後の組織の展望について教えてください。小野寺:Shippioはこれからさらなるスケールを目指し、2028年には300人規模の組織へと拡大していく計画です。組織が大きくなれば課題も複雑化しますが、私たちが目指す「貿易プラットフォーム」の完成には、まだまだ多くの力が必要です。—最後に、スタートアップでのキャリアや、Shippioに興味を持っている方へメッセージをお願いします。小野寺:スタートアップで働く面白さは、正解のない「未開拓なチャレンジ」を重ねていけることにあります。流行のスキルを身につけること以上に、一つの事業を信じ抜き、組織を勝たせるために試行錯誤する経験は、一生モノの財産になると信じています。「業界を変えることが、自分の、そして仲間のキャリアを切り拓くことになる」。このエキサイティングな循環を一緒に回していける方、そして、泥臭い課題に対しても「胆力」を持って向き合える方と、ぜひ一緒に働きたいです。新しい雇用を生み出し、日本の産業をアップデートする挑戦は、まだ始まったばかりですから。—小野寺さんの「Shippioへの愛」と「HRとしての高い志」が伝わる、非常に熱いお話でした。本日はありがとうございました!最後に小野寺さんと共に、Shippioにて「産業の転換点をつくる」仲間を積極的に募集しています。ご関心をお持ちいただけた方は、是非お問い合わせフォームからご連絡ください!中途採用 カジュアル面談https://herp.careers/v1/shippioinc/4r0NzhnncI_o採用人事(HRBP候補)https://herp.careers/v1/shippioinc/LYvZ1V7ujiE1募集中の求人一覧https://herp.careers/v1/shippioinc※この記事内容は全てインタビュー当時のものです。インタビュー後記:メガベンチャーでの安定を捨て、カオスな環境へ飛び込んだ小野寺さん。5年間の歩みを通じて彼女がたどり着いたのは、「事業の成長こそが、働く人を幸せにする」という極めて本質的な答えでした。「何事もはじめはうまくいかなくても、最後には土俵に立ち続けた人が勝つ」。代表の佐藤氏から受け取ったそのバトンを、彼女は今、HRという立場から全社員へと手渡そうとしています。人的資本が事業の武器になり、産業そのものをアップデートしていく。Shippioが切り拓くその先には、私たちがまだ見たことのない、豊かなキャリアの可能性が広がっているはずです。