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スタートアップは組織規模・成長フェーズによって社風がどう変わる?バックオフィスの役割変化は?

2025.07.14

スタートアップの社風や働き方は、企業ごとのカルチャーによって大きく異なります。一方で、組織規模が拡大し、事業が成長していく過程では、役割分担や意思決定の方法、コミュニケーションのあり方などに一定の変化が生じます。

そのため、スタートアップへの転職を考える際には、単に「スタートアップらしい会社かどうか」ではなく、「今、その企業がどの成長フェーズにあり、自分はどのような環境で働くことになるのか」を理解することが重要です。

ここでは、一般的な傾向として、組織規模・成長フェーズに伴う社風や働き方の変化を整理します。

1. 初期スタートアップ(創業期〜シード)

創業期からシードフェーズのスタートアップでは、組織規模が小さく、一人ひとりの役割が明確に分かれていないケースも多くあります。

・業務スタイル:役割を越えて、事業そのものをつくる

このフェーズでは、自身の専門領域だけに閉じず、必要に応じて周辺業務まで担うことが求められます。

例えば、経理担当であっても採用や総務に関わったり、人事担当が広報や組織づくりまで担ったりすることもあります。仕事の範囲があらかじめ決められているというよりも、

「会社を前に進めるために、今何が必要か」を考えながら、自ら役割を広げていく働き方です。

その分、一人ひとりに与えられる裁量も大きく、個人の判断や行動が事業に与える影響も大きくなります。

・組織の雰囲気:経営との距離が近く、意思決定も速い

少人数の組織では、経営陣と日常的にコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが一般的です。経営会議で決まったことがその日のうちに共有され、すぐに実行へ移されるなど、意思決定のスピードも速い傾向があります。

また、メンバー同士が互いの仕事内容を把握しやすく、一体感を持ちながら事業づくりに取り組みやすい環境でもあります。

一方で、制度や仕組みが整っていないことも多く、業務の進め方や役割を自らつくることに面白さを感じられるかどうかが、このフェーズとの相性を左右します。

2. 成長フェーズのスタートアップ(シリーズA〜C)

事業が一定の手応えを得て、資金調達を重ねながら組織を拡大していくフェーズでは、会社のあり方も大きく変化します。

・業務スタイル:ゼネラリスト型から、専門性を活かす組織へ

人数が増えるにつれて、徐々に組織図が形成され、部門や役割が明確になっていきます。それまで複数領域を兼務していた業務も、経理、人事、法務、営業、マーケティングなど、それぞれの専門機能へ分化していきます。

このフェーズでは、「何でもできる人」だけでなく、「特定領域の専門性を持ち、組織を一段引き上げられる人」の重要性が高まります。

また、事業や組織の拡大に伴い、CXOや部門責任者、マネージャーなどの採用も本格化し、個人中心の組織からチームで成果を出す組織へと変わっていきます。

・組織の雰囲気:一体感と組織化が共存する過渡期

このフェーズの特徴は、創業期のスピード感や熱量を残しながら、同時に組織化が進んでいくことです。

人数が増えることで、

  • 情報共有の方法

  • 意思決定プロセス

  • マネジメント

  • 評価制度

  • 部門間連携

など、これまで暗黙的に成り立っていたものを仕組みとして整える必要が出てきます。創業期から在籍するメンバーと、成長フェーズで入社した専門人材との間で、仕事の進め方や価値観に違いが生まれることもあります。

そのため、このフェーズは単に「人数が増える時期」というよりも、

「個人の力で成長してきた会社が、組織の力で成長する会社へ変わる時期」と考えると分かりやすいでしょう。

3. 成熟したスタートアップ(シリーズD以降〜IPO前後)

事業基盤が一定程度確立し、組織規模も大きくなると、企業として求められる安定性や再現性も高まります。

・業務スタイル:仕組み化・標準化・再現性が重要になる

このフェーズでは、個人の経験や属人的な判断だけに依存せず、誰が担当しても一定の品質を保てる仕組みづくりが重要になります。

例えば、

  • 業務プロセスの標準化

  • 権限や責任範囲の明確化

  • 評価制度の整備

  • 内部統制

  • ガバナンス強化

  • システム導入

  • 組織横断のルール整備

などが進んでいきます。

その結果、創業期と比べると役割はより細分化され、専門性を活かして成果を出すことが求められるようになります。

一方で、組織が大きくなったからこそ、一人では実現できなかった大規模なプロジェクトや、高度な経営課題に取り組めるようになることも大きな特徴です。

・組織の雰囲気:カルチャーを「自然発生」から「意図的につくる」段階へ

人数が少ないうちは、創業者や初期メンバーの価値観そのものが企業文化になっているケースが多くあります。しかし、組織が拡大すると、全員が経営陣と直接コミュニケーションを取ることは難しくなります。

そのため、

「自分たちは何を大切にする会社なのか」

をミッション・バリュー・行動指針などとして改めて言語化し、組織全体へ浸透させる必要が出てきます。同時に、ガバナンスや社内ルールも強化されるため、創業期から在籍しているメンバーが「以前より自由度が下がった」と感じることもあります。

しかし、これは必ずしも会社が硬直化したということではありません。組織規模が大きくなるなかで、より多くの人が安定的に働き、事業を成長させるために必要な変化でもあります。

4. フェーズが変われば「求められる人材」も変わる

スタートアップの成長フェーズが変化すると、企業が求める人材像も変わります。

創業期では、「自ら課題を見つけ、役割にとらわれず動ける人」が活躍しやすい傾向があります。

一方で、組織が拡大すると、「自身の専門性を活かして、仕組みやチームをつくれる人」の重要性が高まります。

さらに成熟フェーズになると、「複雑になった組織を安定的に運営しながら、さらに成長させられる人」が求められます。

つまり、「スタートアップで活躍できる人材」という一つの型があるわけではありません。どのフェーズの会社で、どのような課題を解決するのかによって、必要とされる能力は異なります。

5. バックオフィス職は、フェーズによる役割変化が特に大きい

S hireが主にご支援している経理・財務・人事・法務・総務・経営企画などのバックオフィス職は、企業の成長フェーズによって役割が大きく変わる職種です。

例えば経理であれば、初期フェーズでは日常経理や決算体制の構築が中心だったものが、成長とともに、

  • 管理会計

  • 資金調達

  • 監査法人対応

  • 内部統制

  • IPO準備

  • M&A

などへ広がっていきます。

人事であれば、採用中心の役割から、評価制度、組織開発、マネジメント支援、カルチャー形成へ。
法務であれば、契約実務から、ガバナンスや株主対応、M&Aなどへ。
会社の成長に合わせて、担当するテーマそのものが変化していきます。

だからこそ、スタートアップのバックオフィス職を考える際には、「会社の規模」だけでなく、「今後数年間でどのような経営課題が発生し、自分がどの役割を担えるのか」を見ることが重要です。

6. 「どのフェーズが良いか」ではなく、「どのフェーズが自分に合うか」

スタートアップへの転職を検討するとき、「シードとレイターではどちらが良いですか」と聞かれることがあります。

しかし、どちらが優れているというものではありません。

例えば、ゼロから仕組みをつくることに面白さを感じる人には、初期フェーズが合うかもしれません。一定の基盤があるなかで専門性を発揮し、組織を拡大していくことに興味がある人には、シリーズA〜Cなどの成長フェーズが合う可能性があります。

より大きな組織で高度な経営課題に取り組みたい人には、レイターステージやIPO前後の企業が適しているケースもあります。

重要なのは、「どのフェーズの会社が良いか」ではなく、「今の自分が、どのフェーズで最も価値を発揮し、どのような経験を得たいのか」という視点です。

転職前に確認しておきたいポイント

成長フェーズを見極める際には、シリーズ名や社員数だけで判断しないことも重要です。同じ「シリーズB」でも、事業の成熟度や組織体制は企業によって大きく異なります。

転職活動では、

  • 現在の社員数と今後の採用計画

  • 事業の成長フェーズ

  • 部門ごとの組織体制

  • 経営陣との距離

  • 意思決定の方法

  • 業務プロセスの整備状況

  • 自分に期待される役割

  • 今後1〜3年で会社が解決したい課題

などを確認すると、その会社の現在地をより具体的に理解できます。

まとめ

スタートアップの社風や働き方は、企業固有のカルチャーだけでなく、組織規模や成長フェーズによっても変化します。

創業期では、役割にとらわれず事業づくりに関わることが求められます。
成長フェーズでは、専門性を持った人材が増え、個人中心の組織からチームで成果を出す組織へ変わっていきます。
さらに成熟フェーズでは、仕組み化や標準化、ガバナンスの重要性が高まり、より組織的な経営が求められます。

大切なのは、

「スタートアップらしい会社かどうか」ではなく、「その会社の現在のフェーズが、自分の志向やキャリアに合っているかどうか」を見極めることです。

そして、今の会社の姿だけではなく、

「この会社がこれから成長していくなかで、自分の役割はどのように変わっていくのか」

まで想像できると、より納得感のある転職判断につながります。

S hireでは、企業の事業フェーズや組織規模だけでなく、現在の組織課題や今後期待される役割まで整理しながら、中長期のキャリアを見据えた転職の意思決定をサポートしています。

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